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2009年2月28日 (土)

その2

ということで外部講評の続き。五十嵐さんのブログにKI君に対する記事が載っていたので無断転載(笑) 更に深読み、アート的な視点で論評しています。

1565:ああ、もったいない**************************Date: 2009-02-28 (Sat)

*東北大学の外部講評会。
・今年はこれまでとこれからの非常勤やOBである、針生承一さん、松本純一郎さん、渡辺宏さん、鈴木弘二さん、八重樫直人さん、武井誠さん、手島浩之さん、佐藤忠幸さんらも審査委員として参加。
・今年の都市・建築理論研究室は好成績で、加藤拓郎くんの「海苔」が青葉賞、伊藤周平くんの「最期の場所」が奨励賞でした。もっとも、最大の問題作は、やはりうちの研究室で、賞なしだが、『近代建築』掲載扱いとなった菊地尊也くんの作品。名古屋・仙台と七年間大学で教えていて、学生の卒計はほぼ想像可能の範囲内だったが、初めて僕の想像力の外部に飛びだした内容が登場したある。基本的に既存の路線のなかでの完成度が高いものよりも、新しい問題そのものをつくりだす案を評価する考えなので、これは推すべき作品だった。
・一応、菊地くんの作品は「オノマトペ」というタイトルで、内部講評会では発表された。「ぎゃーん」とか「ぐわーん」とか、漫画からオノマトペの文字をサンプリングし、そこから形態を自動生成。さらに仙台の敷地を切り刻んで架空のサイトをつくり、散りばめる。オノマトペとは、意味(シニフィエ)が確定しない音声(シニフィアン)であり、いわばプログラムと連動しない形態だ。ここまでは、チュミ+シチュアシオニスト的な手法として解釈できる。通常、ここまで学生が提案すれば、それで十分に変わった案ではある。
・ところが、その先があり、菊地くんは、次のステップとして、最終的に完成したかたちからリバースして、異なる起源の課題をねつ造していく。存在しない彫刻家の美術館とか、仙台震災後のモニュメントとか、などなど。これはひとつの結論から逆に遡求して複数の始まりを次々に生みだしていく、ボルヘスの「八岐の園」や、「ひぐらしのなく頃に」(祭りの日、必ず一人死に、一人行方不明)のような、手続きであり、卒計をメタフィクション的な構造に閉じ込めていく。彼の過去の課題も入っており、彼自身が同じかたちになってしまう牢獄のようでもある。
・外部講評会では、もう一度、驚かされた。今度はタイトルが「かたどるかてどらる」に変わっており、同じ作品をまったく違う方法で説明している。ある意味では、嘘八百をしゃあしゃあと語るプレゼンテーションに驚愕し、笑う。今度はさらに増えた複数の起源のひとつに「オノマトペ」が閉じ込められている。新しい審査員に対してはおそろしく不親切だが、この発表によってメタフィクション的な構造を演じてみせているのだ。卒計への自己言及的な作品として、このレベルのものに出会ったことがない。
・しかし、このおそるべきプロジェクトは、彼が地元で、しかも昨年は学生会議として運営側にいたにもかかわらず、卒計日本一決定戦への登録を忘れ、出品できないのだという。ああ、もったいない。
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そうそう、本日発売・新建築3月号P52に小さく載せていただきました。
プロフがちょっと違ってるけど(^^;)

Sk200903

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2009年2月27日 (金)

東北大外部講評会

修士4人、学部6人が外部講評会に残り、本日発表審査会でした。

クリティークとして参加したのは、TNAの武井、針生承一、ノルムナムの八重樫、関空間設計の渡辺、UAPPの手島、松本純一郎、DADAの佐藤、鈴木弘人事務所の2代目鈴木さん、それと杉山・石田・小野田・五十嵐・元江・飛ケ谷・櫻井・堀口・坂口さんという常勤教員(敬称略)。

まずは修士で優秀賞をとった2作品から。
優秀賞1作品めはK君・O君の共同設計であるいろは横丁の再開発計画。いろはの良さがまったく残らないつまらない計画。開発プロセスや手法も面白みがないし、法的にも欠落している。それにも増してつまらない質問の時間。さらに、「夢を見ることができた、今までで一番いい」という最大限の賛辞を送ってしまうクリティークには、特にがっかりした。絞るべきは、いろはの良さ、自発的に生成した店舗、昭和の香りを残し、進化させるシステムを提案するべきだったはず。また、構成は古材の再生、セルフビルドを想定した小径材による建築=フェイジョーンズの森の教会や坂茂の家具の家を参考にすべきではなかっただろうか。

優秀賞2作品目は国立国会図書館の新築計画。ここで考慮すべきはコールハースの言葉であろうし、大規模建築物のあり方、特に足元の処理やモニィメンタリティである。さらに国会図書館の特殊性=原本を保存するという義務、特殊性に対して大きな配慮を欠いている。あれでは今すぐにでもつくれる組織事務所によるただの図書館でしかない。質疑の時間はいらいらさえしてきた・・・。

優秀賞には漏れたが、Y君のカジノ計画。ぐだぐだな発表に業を煮やし、小野田さんが切れ気味に「前段はいいから作品そのものの説明をしろよ」との不規則発言。しかし、実はこれはY君への援護射撃であるし、思い入れがあったからこその発言ではないかと感じた。特に最後の氏の言葉である「置換可能なグリッドシステムと個の独立性について説明するのが筋」という発言には納得。もっともこの作品の良さを理解した発言だったと思う。でももう少し優しい言い方をしてくれればシンパが増えるのになぁと同時に思う。個人的にはカジノという誘惑と、資本主義・自由主義社会での商い、人間としての尊厳等たくさんの考慮すべき社会的問題を凝縮した建築だったら・・・。そしてたとえば場所も山手線のガード下をすべてその場とするような、いつでもどこでも誰でもすぐにいけてしまう場所に設定したら面白かったと思う。また、この作品からもチュミやコールハースのの設計手法が連想されるはずであるのに、本人からもクリティークからもそれに触れられなかったのもさびしかったところ。
最優秀賞がなかったのは当然か。

次に学部の卒業設計。私の予想では、実質4名の戦い。U、I、KI君のどれかが最優秀、大穴でKA君という感じでした。

U君は優等生らしく本を読むための空間、施設をなぜその形式をとったかということを丁寧にかつ説得力のある形で提示。さすが旧第三帝国大学=東北大生といえるもの。若干流行モノ的な形態と、処理の未熟さが引っ掛かったものの、秀作であることは間違いない。クリティークがマジメであれば、すなわち普通の大学教員であれば最優秀賞か。でも、結果は優秀賞。

I君は誰にでもわかりやすく、深く考えることができるテーマ。死刑執行一年前から留置される施設。ドロウイングも雰囲気がある。毒をもっていえば、誰でも刺激を受けられる=わかる施設なので、どの基準でも最優秀賞になる可能性が高い。で、結果は優秀賞。

KI君は「オノマトペ」から「かたどるかてどらる」へタイトルを変えて、さらに形の解釈を増やしおどろおどろしい形で提示。実はこの作品の面白さは、形はあるルールによってでもいいし、偶発的にでもいいから生成されてしまえばそれ自体は絶対的な形として存在してしまう。しかし、その存在=形は製作者の意図とは関係なしにどんな理由付けでも可能であるという建築やアートに対する強烈なアイロニーを秘めたものであるのだ。しかし、それをわかったクリティークは五十嵐さんだけ。本人もこの作品に隠された真の意味を説明することを避けてしまっているように感じた。クリティークの能力が高ければ最優秀賞になれるとんでもない作品。当然今回のクリティークからは的外れな質問しかでなかったし、理解しようとさえしてもらえなかった。クリティークの質が問われる計画でした。結果は選外だが五十嵐さんの強い推しで近代建築社優秀卒業設計作品集への掲載が決まる。

最後は大穴のKA君。結果、彼が最優秀賞でした。その理由は・・・。武井さんには失礼かもしれないけど、武井さんが理解できる唯一の建築だったからではないかと思う。事実、実質審査委員長である彼の発言はこの作品に集中していたし、他の外部審査員もこの作品を楽しそうに覗いていた。これにはKA君の誠実な態度と素直な雰囲気がでていたが、東北大の卒業設計の最優秀賞としてはちょっと疑問を感じてしまう部分も多い。もちろん東北大でなく、私立中堅、特に住居系が強いところだったら間違いなく一位に推せるのだが・・・。ともかく故・宮脇壇氏が以前子供の遊び場を設計したある学生に対して言った「設計者としてこのような素直な案を提示されてしまうと、こちらの痛いところを突かれたようで最優秀として推さざるを得なかった」というコメントが思い出された。

今回はクリティークで決まった講評会であったと思います。クリティークの質問は発表者の内容の確認であると共に、何か大切なことを気付かせたり、考えを整理させることができる内容でなけれならないと思います。学生も発表者として審査されているが、クリティークも同様に聴衆から審査されていることを忘れてはいけないと思いました。針生さんの独特の感からくる発言や生成される場の雰囲気、小野田さんの発言以外は、つまらない講評会でした。

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2009年2月25日 (水)

白模型

懐かしい写真がでてきたのでUP。これは建築知識2007年12月号に使われたもの。
そして久々に編集長と事務所で打ち合わせ。そのあといつもの呑鳥へ。前掲のY氏も参加しコアな建築ネタへシフト。現在の雑誌の状況や建築界の作品評価などなど・・・。誌面には書けないような生の情報はありがたい。

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2009年2月24日 (火)

真夜中のプール

たぶん自分が建築を続けられているのはこの人のお陰なんだなぁと。今更ながら感謝。http://www.jia-tokai.org/sibu/architect/2009/01/seminar.html

最後の方に山下さんが出てきたけど、仲亀さんもめちゃすごいし、田中さんも・・・。

で、BGMはコレか???

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2009年2月23日 (月)

完了検査

もうすぐFJHが竣工なので完了検査申請に宇都宮市役所へ。書類をだすと、内装写真と委任状の添付がないとの指摘・・・。内装写真って宇都宮だけじゃん。しかも昨年まで委任状は不要だったはずだし。さっそくつまんない指摘にむっとしそうになる私(^^;) 40歳手前になり少しオトナになった私は素直に書類を再提出。検査でつまんない指摘がなければいいなぁと思う反面、役所側に立てばきっと下記のような感じかと・・・。

先日の図解・建築業界で書いた派生分野の記事より抜粋。

「建築出身者のデザイン力・構想力を生かし他分野に進出して開花する方も多数。近年グラフィックデザイン業界はその大きな受け皿となりつつある。意外に知られていないが、電通・博報堂等の広告代理店は多数の開発に関わっており、建築プロデュース業としても有名。安定志向の方には役所もお勧めであるが、偏屈な設計者を相手にしなくてはいけない建築主事は心労が多い。」

えっ役所ってそんなに心労があるの?って思うかもしれませんが、ほんと建築指導課だけはたいへんです(苦笑)

土地家屋調査士さんのトコにもよって、さっさと帰宅。午後からはひたすら実施設計を・・・。写真は役所に提出したもの。

Fjh0223

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2009年2月22日 (日)

sumika with かぶと虫

東京ガス宇都宮sumika-projectの見学会に再び参加。
今回は建築ヲタク仲間の工務店経営Yさんルートによるもの。

前回見られなかった伊東豊雄さんのパビリオンが目的。トンペイの卒業設計で触れましたが、KA君は食べ物に普遍性の夢を見るのに対し、伊東さんは植物=樹木にその夢をみているようです。今回は葉脈がそのモチーフ。

思い返せば中野本町の家でデビューした頃は篠原一男さんの影響を強くうけ建築を抽象化していました。それを脱したのが自邸シルバーハット。その後「消費の波に浸らなけれれば建築は存在しない」とうたい、より軽快な「風の建築」に移ります。そのシリーズはおそらく八代でポピュラリズムを獲得する。次の転機は仙台メディアテークでしょう。構造を消すことを考えていたが、結局構造は消すことができない。だから消すことをやめ、デザインに取り入れることで建築を考えるという転機であったと解釈していました。しかし、あの作品にはもっと大きな意図が含まれていたのかもしれません。それは、自然=樹木という構成の普遍性を建築の構成に取り入れるということでないでしょうか・・・。樹木と建築といえば菊武清訓さんのテーマのひとつ。結局そこに帰結するのかという印象も。

そして3件の住宅を再見して。
藤森照信さんのコールハースは一般の方が理解し易い。しかし二階へ行く階段が峡谷であるが故に、それを好む施主層、おそらく高齢者は購入を躊躇する可能性が高い。
藤本壮介さんのは住居としては厳しい。納まりも良くない。しかし、それとその建築がもつ可能性は別の話。あの建築は見たことのない形式であるし、体験すべき面白さがある。
西沢大良さんのは・・・。既に天井が崩壊しはじめている。類似作品の駿府教会ではその素材と構成がうまくマッチしているので納得はいく。しかし、宇都宮は壁が黒く光の動きを感じにくい、天井が低く仕掛けが目についてしまう、開口をあけた時に見えるのは隣地の壁、附室に置かれた簡易ベット等、やはり良く分からない建築。

まぁそんなことはともかく、見学会のあとはいつものように建築談義。ネタは今年の吉岡賞受賞作品について。場所は伊東さんのパビリオンの近くにあった「珈琲問屋」。ここには喫茶コーナーが附属。ウインナコーヒーのMサイズがたった300円。クリーム山盛り、味はすっきりさわやか系。意外にも店内には客が多数。ヲタクのY氏、生クリームたっぷりのそれに砂糖を2包入れる。そのコーヒー旨いと言う彼。それは既にコーヒーではなく砂糖水だろうという感じ・・・(--;)。自宅では「かぶと虫」というわれているそう。本人の名誉のために黒目線をしましたが、キャラが濃いので誰だかすぐわかってしまいます(笑)

   
ItpabCoffeeYoshi

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2009年2月21日 (土)

宇大修士設計展

ほんと連日学生の設計を見にいってます。

今回は宇都宮大学の修士設計展。論文でなく設計を選択したのは建築計画研究室の3人。感想ですが・・・。どう表現してよいのやら。何度も発表やエスキスを行い、しっかりしたリサーチに基ずきプロジェクトブックを作成させる東北大の修士設計が非常に良く思えてきてしまいました。

H君のは宇都宮の中心街区の再開発。奇しくもメディアアーツの3年生M君と敷地がダブル。土地の債権化によって権利関係を整理したうえで、商店と住宅の職住一致団地をつくる試み。一見整然とまとまっていてきれいに見えるけど、同じような白いハコが並んでいるだけなのです。彩りは家具でごまかしている「less is bore」系の建物・・・。リサーチ自体もWIKIで調べた程度の表層的なものに感じてしまったし・・・。残念ながら作品に面白みがないので、実務的な内容で突っ込まざるを得なくなってしまう。たとえば なぜ全部が4階建なの?火事の時消防車は?壁間が狭いけどどう施工するの?年とったら住めないよね?等々・・・。あぁそんなこと言いたくないのに。逆にM君は最終的なデザインは×だったけど、建物につながりをつけるためのたくさんの提案を出している。真摯な態度で設計に取り組んではいるのだけど、何か釈然としないものを感じてしまいました。

次は普段からにこやかなS君。廃校予定の高校を減築と増築によるリノベーションを行い、老人福祉施設に転換するという計画。う~ん・・・これもほめるのが難しい。デザインは前出のM君とかわらず×。教室という同じ大きさのハコを、規則的に壊したり、一部屋をまるごと耐震要素にすることで学校らしいリノベを行う提案があったのではないかと思う。

最後に、仙台に戻る予定のW君。ニュータウンの開発計画なのだが、これも・・・。リサーチ的なものがほとんどない。現況のニュータウンで問題になっていることは?それをどういうシステムで解決するの?デザインしてる???という状態。敷地としての全体構想は8月に展示されていた4年生の卒業設計のほうがはるかに説得力があった。

これは小野里さんとの共通した感覚だったのだが、専門学校3年生の卒業設計、大学4年の卒業設計、今回の修士設計、どんぐりの背比べという印象をぬぐえない。本来なら年齢・経験・学力等から相当の差があって良いはずなのに。さてこれらの事象をどのように分析したら良いのだろうか・・・。

   Ha2009Se2009Wa2009

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2009年2月17日 (火)

とんぺい卒計&修計

自分の中間発表が終わってほっとしたので書いてしまおう。
主に五十嵐研だけだけど・・・。

卒計はKI君のオノマトペ(擬声語)が目を引く。私の受け取り方が間違っているかもしれないが、彼のプロジェクトを次のように解釈した。擬声語は擬音語と擬態語の総称で、ものの様子を言葉で表したものであるが、その言葉自体に意味はない。その意味のない言葉を取り出して、3次元で解析することによってつくられたオブジェを見せるというのがひとつ。次に、仙台市内の風景を無作為に写真で撮影し、それを組み替えて3次元化することでつくられる場、空間の提示。その場に先ほどのオブジェを付加して何か意味ありげなものをつくる。意味のないものを組み替えることによってできるモノ。そこには絶対的な形態は派生してしまうが、形態そのものに意味はないはず。しかし、それらの場とオブジェは見るものによってば別の生成方法によってつくられたものと解釈されてしまう例を3つ提示。例えばそれは蝶の羽の構成であったり・・・。形の成り立ちはどのようにでも解釈できるというような、皮肉めいたものを含んだパラドクスの提示のよう。しかし、実はその3次元解析の手法や、無作為な抽出方法にはK君の感性が大いに関与しており、それを無作為というのはどうかと。結局このプロジェクトはKI君の感性によってのみ説明可能なオブジェをつくっただけなのではないかと思いました。でもアートとしてとらえればとても良いものなのかなぁ・・・。まぁ私にアート、特に現代美術系の萌芽的なプロジェクトの判断はできません。

次に、I君の死刑執行前に滞在する刑務所。地中からある一定のボリュームを浮き上がらせ、その地表面下の空いた空間を留置場に、上空に浮いたボリュームはその意味を強く世間に知らしめるためのオブジェまたは施設にするという計画。鉛筆による断面ドローイングはうまい。施設の選定は面白いものの、考えなければならない概念がたくさんある。残念ながらプログラムが不十分でそのあたりがあまり伝わってこない。日比谷公園を選んでしまったこと、中途半端なシンメトリー・軸線等、施設をより説得力のあるものにする手法が不足している気が。卒業設計は概念をより具現化できる敷地=強い場所性のある敷地を選定すべき。そしてその場所性にあった配置をつくるべき。また、菊竹さんがいうところの「か・た・ち」理論の「か」「かた」の一部は提示されているが、やはり一部でしかない。とても発展性のあるテーマでした。これから2週間でどこまで伸びられるか。

最後にKA君の設計。食べ物のノリの形態を住宅の壁として取り入れ、実家の2世帯住宅をつくるというもの。彼の今までの設計はアイスクリームやバナナなど食べ物の構成(形態ではない)を引用し設計に生かすというもの。例えばアイスクリーム状に積み重ねられたビル、バナナの皮のように壁がはがれそれがテーブルとして利用される住宅など。それらは目を引き、毎回最優秀賞であったらしい。では今回のノリはどうか・・・。ノリの構成とは??? ここの解釈がちょっと難しかった感があるかも。格子状の壁をのりに見立て、それらの厚みの変化や、積層によって見え方がかわり、それがそれぞれの部屋としての機能を生むというもの。「形態」を直喩としてつかったポストモダン、その後、それは隠喩におきかえられステップを踏んだが、KA君のはそれを更に進め「構成」を抜き出したもの。形態が消し去られ構成のみが残り、タイトルを聞くまでそのソースがわからないようなものであったら、自然の構成を抽出するつくり方ということで普遍性が生まれたかもしれない。また、流行の形態-外部は直方体、内部は曲線主体という形ではなく、違った構成でならやはりそこにも普遍性が生まれたかもしれない。最終的な形はとてもほのぼのとしたもの。彼の素直で毒のない性格がそのまま形になった感じがしました。卒業設計では普段から社会などを分析し考えてきた雑学や毒=アイロニー、または空想力、妄想力が大切になるのかも。

上記3人とも、大学の選考はクリアし、外部講評会(審査員は主にOB)に進むことが決まりました。ちなみに選出されたのは6作品。でも・・・・今回卒業設計を提出したのは13人だけ。やはり設計は弱い東北大。最終的に自分が何をやりたかったかは、数年かけて分析すればよいこと。ともかくあと2週間、再追い込みをかけてもっともっと伝わるようにしてほしいなぁと。

修計はあんまり面白くなく・・・。コメントしたくなるのはYクンのものくらい。五十嵐さんにそそのかされ(謎)、カジノをテーマに選択。場所は本人が両国を選ぶ。巨大さと反復による狂気を演出するような計画なのだが・・・。逆に菊竹さんのゲタ=東京江戸物館が狂気に見えてしまう。まじめで誠実な彼にはちときつい。きれいにまとまりすぎている感じ。

Y君のを見て思うこと。有り余る能力があれば別だが、自分が得意とする分野で勝負しないとあるレベルを超えられないということ。さて自分のことを振り返る。なんでもそこそこ結果をだせてしまううように見えるが、実は私が苦手なものは頭の中で追えない規模のもの。設計でも文章でも8割がた頭の中でまとまってからでないと進められない。ネタも構成も全て記憶して、いくつかのキーワードをメモにし、それをベースに記憶をたどり一気に書くことになる。だから長い文章、巨大なものができない。で、今回の修論→今後の論文作成は大問題。覚えきれないよね、あんなにたくさんの事象。じつは住宅を超えるスケールでも同じ。別の手法を身につけないと・・・。さて、論文の資料をコピーしてくるか・・・。

Ki2009I2009Ka2009

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2009年2月16日 (月)

中間発表終了

本日修論の中間発表がありました。他の方は最終審査となり、モデル化に関する厳しい指摘が続いていたので、どうなることかと思いましたが・・・。意外に友好的に終了(謎)

東北大のシステムを良く分かってないんで、直近になってバタバタしてしまう。特に五十嵐研は何故か設計志望者ばかりなので、全員が修士設計を選択してしまう。そんなわけで何かと苦労が絶えないような・・・(--;)

現場が少し片付いてきたので写真をUP。右側は模型ならぬCG・・・。建物の構成が良く分かります。

Fjh0214Fjhmodel

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2009年2月15日 (日)

図解・業界地図 ネタ

10日から発売されている「新世代の建築家デザイナー100」内「図解業界地図」に関する小ネタ。企画・設計編内の「いわゆる設計事務所」の欄。

所長がヒゲをたくわえ、遠くを見ている。他の人々はひざを抱えてふさぎ込んだり、はいつくばっていたり、海に流されていたり・・・。意外に深いイラスト(笑) 良くみてくと細かいネタがちりばめられています。既に東北大M1からは賞賛の声・・・就職活動に必見の一冊(謎)

Gc2009

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2009年2月12日 (木)

MA卒計展

このシーズン設計に関するイベントが連日続く。今日は昨年まで教えていた宇都宮メディアアーツ専門学校の卒業設計展へ。二級建築士受験の関係から、2年で一度卒業という形式をとる。興味深かった2年生の作品を二つ、3年生の作品もひとつ挙げたいと思います。

ひとつめは、ストローベイル-わらを構造体にするという試みがあるのですが、それを利用したレストランの計画。「リチュース」と呼ばれる代数螺旋によってストローベイルを積み上げる。そこに木の軸組みを架けることで自然派のレストランをつくろうという試み。幾何学によってつくられる建築ってこんなにきれいなんだと素直に思える案。プレゼンテーションもうまい。しかしプランが・・・。螺旋の最奥に位置するものがトイレで良いのか、そして厨房の位置が悪く螺旋の壁がとぎれてしまう。もうひと練りしてほしかったところ。これはインテリア2年生Sさんの作品。まぁあいかわらずインテリアらしさはない。これは講師陣の問題か。

次は、団地の計画。建築2年生のTさんの作品。最終的な形に難があり、デザイン的には良いとはいえないもの。しかし、どうやってこの団地をつくったらいいのかというアイディアがたくさんの図で表現された力作。テーマは「つなぐ」という事。大学3年生でもなかなか気づけないことをたくさん表現できている。

そして最後に3年生のK君の作品。かたち遊び的な建築なのだが、その形をどうやってつくったか、形態の操作パータンについてしっかり記述した傑作。フランクOゲーリーの一連の作品、特にディズニーコンサートホールを連想されてしまうが、作り方が全く違う。これはJIAの審査会などで受ける可能性が高い。CGや模型も上手く、大学生の卒業設計並み。

先日、大学に行った時に「専門学校は、学校の宣伝のために、学生の作品に先生が手をいれる。だからいいものが出てきてしまう」という冷やかなコメントをした教授がいた。その教授は学生の作品を講評もしなければ、エスキスで有効な助言も行わない。手を入れるという表現も適切かどうかわからないが、何もしない人がいうべき言葉ではないと思う。もちろん「宣伝のため」に手を入れているわけでもなければ、「学生のかわりに」CGや模型をつくっているわけでもない。

このようなものを見ていると、住宅以外のこともやってみたくなります。でも・・・クライアントがいないとできないんですよね(^^;) それが建築のつらいとこ。さて、私も修論の中間発表の準備と補助金の申請を進めないと。

あっ・・・またVAIOの「BS」キーが反応しずらくなってる。時期を見て修理に。3年保証は助かります。

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2009年2月11日 (水)

つくりかた

下の図はDESIGN・空間展、通称GOP展で使ったものですが・・・。
「何を根拠に形を決定したのか」、自分はそのシステムみたいな部分興味があるみたいです。そこに特別な理由がなければ、形を変えることはしない。ある意味、合理的なつくり方になってしまいます。例えば、喜連川の別荘のKYH。WEBでは言葉だけで説明してきましたが、このような形をしています。写真だと杉板が貼られ、大きな木製雨戸が動き、浴室がきれいって程度しかわからないかもしれませんが、実はこの形を決定したのは建物から見える風景なんです。

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2009年2月 7日 (土)

FJH足場取れました

ちょっとうれしい瞬間です。

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2009年2月 5日 (木)

二十歳の原点

つい先日 近所のブックオフに行ったら100円コーナーにこの本を見つけました。表紙は色あせて、中身は黄ばんでしまっていましたが、それはそれでこの本の良さを増幅させているように思いました。終始大きく揺れ動く彼女の心。それが停止した時・・・「旅に出よう テントとシュラフの入った ザックをしまい ポケットには 一箱の煙草と笛をもち 旅にでよう」から始まる詩を記します。これは透明なんだけど強い沈み込みを感じるもの。残念ながら心は負で停止してしまったようです。詩の最後に湖に笛を沈めることを描いた彼女は、その2日後、自ら命を絶ってしまいます。20歳でした。

実は私の卒業設計はこの本に強い刺激を受けてつくりだしたもの。言葉は強い。

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2009年2月 3日 (火)

3年生講評会

今回は事務所ビル。各研究室が合同で担当するもので、構造や設備も入れた比較的かたい課題。敷地の設定がなかったので、私の裁量で県庁前の交差点(ん太郎美容室があるあたり)を設定させてもらいました。

北に大通り、西にシンボルロード、東には釜川小道、南は小さな商店ビル。3面が道路に面するという非常に難しく、刺激的な場所。規模はどの隣にある東京生命ビル(現・野村證券ビル)の半分。

もともと配置計画・動線計画が難しい敷地。それにもかかわらず「何かやってやろう」という意思を感じる設計が多かったし、今更ながら設計の面白さに気づいたんじゃないかという学生も。そういうわけで、前回に比べて破綻があるものの、とても興味深い計画が多かったように思います。講評会も私らしく、少しリラックスした雰囲気がでてきたし・・・。

そしてあらためて思ったこと。例えば妹島さんが設計したルイビトン銀座。各階で高さが変わっている。それはできそうでできない発想。それは自分でやってみて初めて気づく事。わかってはいてもできない苦しみ。うまく伝えることのできないもどかしさ・・・。講評しているこちらのほうが勉強になります。

講評会終了後、三橋教授や本庄技官、ゲストの小野里さんと飲みに。そこでの教授のお言葉。「釜川を断面図に入れてたものがいなかったよネ」 確かに!この課題はソコが大きなポイントで、それを考えるにはその方向の断面図が必要でした。

来年度から新任の方もいらっしゃるし、少しずつかもしれませんが宇都宮大学は良い方向にかわっていきそうです。

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