東北大大学院の卒業式が終わり、東京へ帰る途中にKO君が宇都宮に寄るとの事。11時半に合流し、市内の建築を案内。東京ガスのsumikaプロジェクト藤本・西沢・藤森氏の3棟を巡る。さすが宇都宮だけあって不用心。3棟の鍵は開いており、こっそり入室させていただく(笑) 4度目の見学とはいえ、雑誌に出てから見るのは初めて。やはり、写真ではわからない良さがそこには存在する。
駆け足でアビタ戸祭、大谷資料館地下採掘場を巡り、壬生インターから高速へ。手前ミソになるが、久々に見た壬生のKAHはやはり抜群に良い。私の好むリミテッドデザインが実現できている。また、地下採掘場の肌に伝わってくる質感・空気感は本物のもつ強さ。縄文的とか洞窟的とか評価される藤森照信氏のつくるフェイクな建築にはない力がある。
その後、小野里信さんの「藤岡の家」の内覧会へ駆けつける。氏には珍しい家型の住宅。ここで慶野正司さんが合流し雑談。事務所スタッフも一緒だったが全く会話はなく、近づいてもこない・・・彼らって暗くないか???(謎笑)
慶野事務所の面々が帰り、夕暮れが近づく頃、KO君から小野里さんへの質問が行われる。それらの質問は長いつきあいである私が何度も質問してきた内容に一致する。だからこそ、それらに対する小野里さんの答えが読めてしまう。建築を作るとき私は構成システム、小野里さんはポエティックなシーンを思い描く。構成が明快になるよう技術的に詰めて行く私に対し、たとえ初期スケッチが構成的であってもそれを消す方向に進んでいく。また、外側から発想する私に対し、内側からの見え掛りを優先する。性能を均質化させる私に対し、一点強い押しをつくる傾向が強い。自由なスタイルでリラックスして住むことが多い私の施主に対し、椅子に腰掛けきっちりとしたスタイルで住める施主であることが多い。いろいろな意味で私達は真逆なのである。だから一緒に展示会を行えるし、お互いの建築を見ることがとても勉強になる。
KO君は東北大では珍しく、実物を見て判断しようとする。そして、まじめで不器用であるがゆえにつくる作品に面白みや魅力がないと判断されがちでる。しかし、才能のある人の数倍の時間がかかってしまうだろうが、その真摯な態度と努力の継続によって、他の東北大生よりもはるかに高い位置に行くことができるかもしれない。そしてそうであることを願いたい。
写真は西沢棟内部・大谷資料館採掘場・藤岡の家2F。