いわき~日立へ
UAPPやSOY、東北大の学生と一緒にBSさんのH邸を見せていただく。(雑誌の公開まで設計者と物件名は伏せさせていただきます) 今回は内部は撮影不可とのことで外部のみ。人と対比して見るとその住宅の大きさが良くわかる。周囲に対して閉じ、敷地一杯に建てられたボリューム。しかし、内部に入ると大きな楕円の中庭があり、それと室内とは白い方立てを伴ったガラスによって仕切られ、とても明るい。中庭を囲む楕円のリングに柱梁が連続した構造体が寄り添う。柱梁はフラットバーによるものだが、竹の集成材が添えられ、座屈防止余力として機能している。部材や空間のスケールは日本的といえず、リチャードマイヤー的なおおらかさを連想させる。
ちなみに、現場担当のK社T氏は東北大OB。手島さんと2期しかかわらないし、櫻井さんは同窓会組織に大きく貢献してているのにのになぜか面識全くナシ。あまり直接の会話もなく・・・さすが東北大(苦笑) 一緒にいったいつものⅠさんとT氏はスタジアムで5年間仕事を共にした方。世間は狭い。
その後、北川原温さんのいわきニュータウン管理センターへ。15年以上経っているのに意外にきれい。風化しないガラスや、金属系素材で全てを覆ってしまっているからか。内部は黒や赤の原色が使われ、暴力的な形態をもつ。しかし、3Fや屋上に展開されている広場は居心地が良さそう。
食事後北茨城にある内藤廣さんの五浦美術館へ。こちらは約10年ぶり。PC構造によるトラスを並べ、それを現した天井が特徴。壁は素材感を生かしたくし引き。個々のボリュームはモダニズムの原則にしたがい丁寧につくられている。下部のガラスと上部の壁のバランス、屋根の取り付き方など、プロポーション的には少し前の「海の博物館」のほうがまとまっているように感じる。
日立市に移動し、大学時代の友人・毒島智和が内井昭蔵事務所で担当した「吉田正音楽記念館」へ。大学時代から味のあるデザインを行っていた彼。ライトやマリオベリーニが好きだった。内井事務所を選んだ理由はライト的だったという事。彼への期待と、事前に写真を見ていたので期待してたのだが・・・。正直言って計画的にまとまっていない。展示室が1階から4階に展開され、5階は展望喫茶。導線計画がよくないためそれらがブツ切り。窓が多く壁が少ないので、落ち着きや空間の劇場性が演出しにくい上に、展示がうまく収まらない。喫茶と回廊がFIXガラスで仕切られているため息苦しく、回廊を設けた意味合いが薄れる。床・壁・巾木・天井の色あわせもちょっと疑問。外部についても、壁と格子のバランスは適当だったのか、面を落とした部分がガルバでよかったのか・・・。期待していただけにちょっとがっかりしてしまった。
最後は日立駅前に。妹島和世さんがの金馬車本社ビル(1997)を見る。なんとなく伊東豊雄さんチック。面一の開口と壁面、シャープなサッシわりによって、さりげなくまとめられている。そこで振り返ると、坂倉建築事務所の日立シビックセンターが・・・。以前訪れた時は正面からだけしかみていなかった。裏側からはその球面が大きく意識でき、建物にあけられた穴からは隣地のホテルが見える。とても衝撃的。残念ながら、内部や正面からはその球体は認知しにくく、とても勿体無い。球体が正面からも認知できる納まりであり、その下部がアトリウムではなく、空中広場になっていたらずいぶん違っただろうに。細部のデザインはザ・ポストモダン。磯崎さんを連想してしまう。
ここ2年で建築を考えたり、見る機会が増え、良いリフレッシュになっています。
左:BSさんのH邸 / 中:シビックセンター正面 / 右:シビックセンター裏側
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